宇都宮空襲から79年 犠牲者を追悼する法要営まれる

太平洋戦争の末期、宇都宮市の中心部がアメリカ軍による爆撃で、焼け野原にされた「宇都宮空襲」から、12日で79年となり、市内で犠牲者を追悼する法要が営まれました。

「宇都宮空襲」は、79年前の昭和20年7月12日の深夜から翌日の未明にかけて、アメリカ軍のB29爆撃機100機あまりが焼い弾を投下し、市街地が壊滅的な被害を受けた空襲です。
幼い子どもを含む620人以上が犠牲になり、県内で最大の戦災とされています。
宇都宮市内の仏教寺院では、毎年、犠牲者を追悼する法要を営んでいて、ことしは、空襲を経験した人や家族を亡くした人など10人あまりが参列しました。
会場では読経が行われる中、参列者一人ひとりが焼香をして、平和への思いを新たにしていました。
空襲で母親を亡くし、毎年参列しているという89歳の男性は、「街じゅうが火の海でした。逃げる途中で家に戻った母親が犠牲になり、道ばたで焼けた遺体も見ました。体が丈夫なうちは参列したいですし、戦争のない平和な時代になってもらいたいです」と話していました。
法要を営んだ「宇都宮仏教会」の松本正弘会長は、「空襲を語り継いでいくことが必要ですが、高齢で亡くなる方もいて参列者は少なくなっています。今後も法要は続けるので、若い人も参列してほしいです」と話していました。