真岡鐵道の運転士 アルコール基準値超検出も客乗せ列車運転

栃木と茨城を結んでSLの観光列車を走らせている真岡鐵道の運転士が、ことし4月に運転前のアルコール検査で基準を上回る数値が検出されたにもかかわらず、客を乗せて列車を運転していたことが会社への取材で分かりました。

真岡鐵道によりますと、ことし4月20日、50代の男性運転士が運転前の午前8時ごろアルコール検知器で呼気検査をしたところ、国が定める基準値のおよそ2倍の値が2度出たということです。
本来は3度目の呼気検査をし、基準値を上回っていた場合運転を取りやめなければなりませんでしたが、立ち会っていた40代の男性社員が運転士の表情などを目視で確認をして3度目の検査は行わなかったということです。
検査結果の記録には、アルコールの検知はなかったと記載がされていました。
運転士はその後、「SLもおか」を茨城県の下館駅から茂木駅まで客を乗せて往復で運転したということです。
今月匿名のメールが届き会社が調査したところ、運転士は「前日の午後8時までに缶ビールを4本飲んだが、アルコールが検知されたのは直前にマウスウォッシュを使ったからだと思う」と話したということです。
真岡鐵道は「公共交通機関として重大な違反で、大変申し訳ない」として運転士や関係者を処分する方針で、今後国土交通省に報告するとしています。
また再発防止のため今後は検査に立ち会う社員を1人増やして3人で行うほか、検査の数値や検査した人の顔写真を自動で記録するアルコール検知器を導入するなどとしています。