廃校となった小学校体育館を活用したフリースクール 真岡

不登校の子どもたちが通う真岡市のフリースクールが市内の廃校の体育館を活用した取り組みを先月からスタートさせました。

真岡市の小児科「西真岡こどもクリニック」では発達外来の患者に不登校の子どもが多かったことから、院内に5年前からフリースクールを設置しています。
しかし、利用者が年々増加して手狭になったほか人が多い場所が苦手な利用者たちから「足が遠のいてしまう」といった訴えが出るなどスペースの確保が課題でした。
クリニックではフリースクールの機能をより広い場所への移転を検討する中で廃校になった市内の小学校を活用できることになり4月から体育館を使った活動を始めました。
学校には多くの教室がありスペースを確保する課題を解決できるほか体育館や運動場を活用することで不登校で運動不足になりがちな子どもたちの体力の向上なども期待できるということです。
クリニックでは今後、理学療法士や作業療法士とともに、どれくらい体力の向上に効果があるのか研究していく予定だということです。
また今後は校舎を改修を行ってカウンセリング用の部屋のほか子どもたちの学習支援や自由に遊べる場所も作る予定だということです。
先週は体育館で行われた活動ではおよそ10人の子どもたちが楽しそうに声を掛け合いながら長縄跳びやボール遊びなどの運動をしていました。
利用者の中学1年生の生徒は「家にいると全く運動しないので廃校フリースクールでは友達と楽しく運動できてすごくうれしいです」と話していました。
西真岡こどもクリニックの仲島大輔さんは「家にいる時間が長くなると足腰が弱くなってしまい学校に行こうと思っても疲れてしまうというのが過去にあったので、廃校利用は、運動機能の向上に良い。今後、子どもに関係することがその場で解決できるような施設にしていきたい」と話していました。

クリニックの運営するフリースクールに4年ほど前から通っている中学校2年生の男子生徒は廃校を活用した取り組みに期待を寄せています。
男子生徒は人が多いところが苦手で学校に行けていなかったということですがフリースクールに通い始めてからは、集団での活動に慣れ、友達もできたということです。
今回廃校の取り組みが始まったことで友達と一緒に体を動かせることに喜びを感じているといい、「学校では友達を作るのが苦手で話せる人があまりいなかったけど友達が増えて自分の話せることが増えたと思います。廃校は、運動不足だったんで、ちょっと疲れましたけど、とても楽しかったです」と話していました。
男の子の母親は「廃校の活用が始まり、体を動かすことが好きなので生き生きした様子を聞けてうれしく思っている」と話していました。
フリースクールを運営する仲島大輔医師は「子どもたちは運動のあとにふだん話さないことを話してくれたり院内や診察では見られない姿を見せてくれたりしている。診療にも生かせるのでとても良いと思っている」と話していました。