輪王寺で伝統の「延年舞」 日光

今の日光市に、1100年以上前から伝えられてきたとされる伝統の「延年舞」が、世界遺産に登録されている輪王寺で奉納されました。

「延年舞」は、平安時代に天台宗の僧、慈覚大師円仁が中国から伝えたとされ、人々の健康長寿や世の中の平穏を願って、毎年この時期に奉納されます。
本堂の「三仏堂」では17日、「舞衆」と呼ばれる2人の僧が、白いはかまに、牡丹や唐草模様のひ色の衣をまとい、背中に短刀を背負って、1人ずつ舞台に立ちました。
そして、節をつけたお経が流れる中、はじめに上座の僧が強く床を踏みならして重厚に舞ったあと、下座の僧が飛ぶように軽やかに舞い、15分ほどにわたって、伝統の舞を奉納していました。
輪王寺によりますと、「延年舞」は、かつては奈良の東大寺などでも奉納されていましたが、今も続いているのは、輪王寺と岩手県の毛越寺だけということです。
「舞衆」を務めた僧の畠山慈朋さんは、「歴史ある神秘の舞の重みを感じながら舞いました。型を崩さないように、後世に伝えていきたい」と話していました。
埼玉県から訪れた女性は「とても厳かで、素晴らしい舞でした。神聖な気持ちで見させていただいて感動しています」と話していました。