那須サファリパーク“トラ事故”元飼育員などに罰金の略式命令

おととし、那須町の「那須サファリパーク」で飼育員3人がトラに襲われて大けがをした事故で、トラをおりにしまう注意義務を怠ったとして略式起訴されていた元飼育員に対し、裁判所は罰金50万円の略式命令を出しました。
また、事故に対応する必要な教育を従業員に行っていなかったとして、略式起訴されていたサファリパークの運営会社と支配人に、それぞれ罰金50万円と30万円の略式命令を出しました。

おととし1月、那須町の「那須サファリパーク」で、開園前の準備をしていた20代の飼育員が獣舎の通路でトラに襲われ、助けに入った別の飼育員2人もかまれるなどして、3人が大けがをする事故が起きました。
事故の前日に、トラを移動させる作業を担当していた20代の元飼育員は、トラをおりにしまう注意義務があったたのにそれを怠り、通路に残したままにしたため、別の飼育員3人に大けがをさせたとして、先月、業務上過失傷害の罪で略式起訴されました。
また、サファリパークの運営会社と49歳の支配人は、事故に対応する必要な教育を従業員に行っていなかったとして、先月、労働安全衛生法違反の罪で略式起訴されていました。
これについて大田原簡易裁判所は今月8日、元飼育員と運営会社に罰金50万円、支配人に罰金30万円の略式命令を出しました。
この事故で警察は、元飼育員のほかに、支配人や別の飼育員などあわせて5人を業務上過失傷害の疑いで書類送検していましたが、いずれも先月、不起訴となりました。
検察は、処分の理由について明らかにしていません。