国の特別天然記念物コウノトリ産卵か 栃木市側の渡良瀬遊水地

栃木市や小山市などにまたがる渡良瀬遊水地で、栃木市側に生息している国の特別天然記念物のコウノトリが産卵したとみられることがわかりました。
実際にひなが誕生すれば、栃木市側で初めて野外での繁殖が確認されることになります。

栃木市の発表によりますと、渡良瀬遊水地で産卵したとみられるのは兵庫県淡路市生まれのメスのコウノトリ「淡夢」です。
「淡夢」と、同じく遊水地に生息するオスの「りょう」のペアが先月下旬から交代で巣にしゃがみ込む様子が見られたことから、市は専門機関に観察記録を提供して調べた結果、「先月31日に産卵したと推定される」と10日、発表しました。
12日、遊水地にある巣では、オスとメスが交代しながら巣にしゃがみ込んで卵を温めているような様子が見られました。
卵がふ化するのは、来月5日ごろの見込みだということで、実際にひなが誕生すれば栃木市側で初めて野外での繁殖が確認されることになります。
栃木市渡良瀬遊水地課の舘野泰行主査は、「2年ほど前にはカズという個体と足環の無い個体が営巣しましたが、産卵には至りませんでした。今回、『りょう』と『淡夢』による産卵が推定されたので、うれしく思っています」と話していました。
市は、コウノトリの観察は巣に近づかず、遠くからしてほしいと呼びかけています。