日光市 輪王寺で伝統行事の「強飯式」

山盛りのごはんを残さず食べるよう山伏が責め立てるユニークな伝統行事「強飯式(ごうはんしき)」が日光市の輪王寺で行われました。

輪王寺に古くから伝わる「強飯式」は、江戸時代に現在のような儀式になったといわれています。
コロナ禍を経て、ことしは5年ぶりに観光客も見ることができる形ですべての儀式が行われました。
このうち「強飯頂戴の儀」は輪王寺の本堂でホラ貝の音が響くなか行われ、山伏姿の僧りょたちがかみしも姿の頂戴人と呼ばれる人たちの前に山盛りのごはんを運びました。
そして、おわんを手荒く突き出し「75杯、残さず頂戴しろ」と大きな声で責め立てると、頂戴人たちは食べることができず、おわんを掲げて頭を下げ、許しを求めていました。
「強飯式」は参列するだけでも多くの運を授かると言われ、大勢の観光客が厳かな中にも滑稽さを感じる伝統行事のやりとりを楽しんでいました。
福島県から訪れたという女性は「山伏のホラ貝や山盛りのごはんなど、どれも迫力がすごかった」と話していました。
輪王寺の菅原道信総務部長は「5年ぶりに強飯式の一番重要な強飯頂戴の儀ができて、良かったです」と話していました。