「啓ちつ」アカマツのこも外し作業 大田原市 下侍塚古墳

きょうは二十四節気の1つで、冬眠する虫が動き出すころとされている「啓ちつ」です。
大田原市にある古墳では冬の間、害虫駆除のためアカマツの木に巻かれていた「こも」を外す作業が行われました。

大田原市にある国の史跡「下侍塚古墳」の墳丘には、古い物では樹齢およそ100年にもなるアカマツが90本ほど生え、冬の間は越冬する害虫を誘い込んで駆除するため、稲わらで編んだ「こも」が巻かれています。
5日はこの「こも」を外す作業を、地元でマツの保全活動を行う人たちや小学生や中学生などおよそ80人が参加して行われました。
参加者は「こも」を固定している縄をはさみで切ると、なかの虫が逃げないようにこもをゆっくりと剥がしていきました。
外された「こも」は市の焼却施設に運び込まれ処分されるということです。
参加した中学1年生の女子生徒は「地域の人たちで古墳を守っていこうと活動するのは大切なことだと思いました。ただ、虫が多くて『きゃーきゃー』と騒いでしまいました」と話していました。
侍塚古墳松守会の平野精一会長は「参加者にはすばらしい景観の古墳のこも外しを行えたという誇りを持ってもらえたと思います。美しい古墳を維持して広くPRしていきたい」と話していました。