介護施設などを運営「蓬愛会」安全な職場づくりで最高賞受賞

宇都宮市で介護施設などを運営する法人が、労働災害を防ぐ優れた取り組みを国が表彰する「SAFEアワード」の「安全な職場づくり部門」で最高賞を受賞しました。

「SAFEアワード」は、厚生労働省が、労働災害のない安全で安心して働ける職場づくりの参考にしてもらおうと、優れた取り組みを5つの部門別に表彰する制度です。
今年度の「安全な職場づくり部門」で、宇都宮市で介護施設などを運営する「蓬愛会」が最高賞の「ゴールド賞」に輝き、19日、宇都宮市にある栃木労働局で受賞報告会が行われました。
この法人が評価されたのは、外国人の職員が安全に働ける環境を整えた取り組みです。
母国語で書かれたテキストで安全教育を行ったり、つまづきそうな場所や滑りやすそうな場所にひと目で分かる絵や母国語で注意を促す張り紙を設置したりしたことが評価されました。
栃木労働局の奥村英輝局長は「ほかの産業でも参考にできる取り組みなので広まってほしい」と話していました。
蓬愛会の大山知子理事長は「人手不足が深刻な中、外国人がけがをせず、安心して働き続けられることが質のよい介護の提供につながる。今後も取り組みを進めたい」とと話していました。

宇都宮市で高齢者施設などを運営する法人、「蓬愛会」は外国人職員の安全を確保することは介護の質を保つために欠かせないとして対策を進めています。
法人では深刻な人手不足から、5年ほど前から外国人を本格的に採用しはじめ、現在は30人ほどがヘルパーとして働いています。
このうち、法人の運営する特別養護老人ホームではインドネシアなどから来た外国人の職員が働いていて、施設には階段や段差ある場所などわかりやすい図案で注意を促す「ピクトグラム」を表示したり、3カ国語で注意を促す張り紙を掲示したりしているほか、外国人に向けた安全講習を定期的に行っているということです。
16日には法人で働く外国人9人を集めて介護の際に腰を痛めないようにする講習会が開かれました。
参加者は講師から説明を受けた後、実際に腰への負担を減らしながら利用者をベッドから立ち上がらせる方法などを学んでいました。
蓬愛会の大山知子理事長は「質のよい介護をするためには十分な数の職員の確保をすることが欠かせず、外国人は今や必要不可欠です。誰かひとりでもけがなどして出勤ができないと、それだけで大きな痛手なので、外国人にもけがなく安全に働いてもらうことが大切なのでこれからも取り組みを進めていきたい」と話していました。