山林などに不法投棄の産廃 県が業者に代わり処分 行政代執行

栃木県は県内の山林などに不法に投棄された有害物質を含む産業廃棄物を、業者に代わって処分する行政代執行を30日から始めました。

栃木県が行政代執行による処分を行うことになったのは、2019年から2021年にかけて県内12の市町の山林などに、宇都宮市の解体業者によって不法投棄され放置された、廃プラスチックの破片などの産業廃棄物およそ1900立方メートルです。
これらの産業廃棄物は、基準を超える有害物質が含まれていることから業者に処分するよう命令を出していましたが、期限を過ぎても行われなかったため、県が代わりに「行政代執行」で処分することになりました。
30日は市貝町にある県有の資材置き場に、飛散防止のための袋に詰められて仮置きされている廃棄物の一部をドラム缶に移し替えてトラックに積み込む作業が行われました。
廃棄物は、千葉県や岡山県の処分場に運ばれ焼却されることになっているということですが、すべての廃棄物の処分が完了するまでには3年ほどかかる予定だということです。
栃木県資源循環推進課の松木太郎審査指導班長は「周辺の住民のみなさんから一刻も早く処理してほしいという声も聞いているので、一日も早く安心してもらえるようなるべく早く処分を終わらせたい」と話していました。
県によりますと、宇都宮市の解体業者による基準を超える有害物質が含まれた廃プラスチックの破片などの不法投棄は、2019年から2021年にかけて、栃木県内の12の市町の山林などで行われたほか茨城県と福島県でも確認されているということです。
県によると業者の男は、廃棄物処理法違反で懲役2年6か月、罰金200万円の判決を受け服役中だということです。
県は廃棄物について、おととし3月に廃プラスチックの破片が周囲に飛散するのを防ぐため行政代執行を実施し、現在は最終的な処分に向けて、市貝町にある県有の資材置き場など県内10の市町で仮置きをおこなっています。
すべての処分が完了するには3年ほどかかる見込みで、費用は10億円前後になる可能性があるということです。