生産量日本一の県産のいちご 恒例のイベントに強敵も出現

生産量日本一の県産のいちご 恒例のイベントに強敵も出現

栃木県が日本一の生産量を誇るいちごをPRする恒例のイベントが14日、県庁で開かれました。

イベントには、「日本でいちばんおいしいいちごを生産している県」として業界団体から認定された埼玉県が初めて参加し、福田知事は強力なライバルの出現に、「世界一を目指す」と新たな意気込みを示していました。
日本一のいちごの生産量を誇る栃木県は、1月15日を語呂合わせで「いちご王国・栃木の日」としてこの日に近い週末に毎年イベントを開いています。
14日、県庁で開かれたイベントでは市内の保育園児がいちごの衣装を着て歌を歌ったり、服飾デザインを学ぶ高校生が手作りのドレスによるファッションショーを披露したりして会場を盛り上げました。
イベントには生産者や小売店など24の団体がいちごを販売するブースを構え、ことしは埼玉県庁が初めて出店しました。
埼玉県は新品種のいちご、「あまりん」が去年、日本野菜ソムリエ協会が開いた「全国いちご選手権」で最高金賞を受賞するなど、エントリーした6つの品種のすべてが入賞し、「日本でいちばんおいしいいちごを生産している県」に全国で初めて認定されました。
出店した、埼玉県庁農業ビジネス支援課の福田弘樹主任は「栃木のいちごと食べ比べましたが、正直言って、味は埼玉のいちごが勝っています。きょうは大野知事の思いを背に、栃木に乗り込んできました」と話していました。
一方、イベントに参加した福田知事はあいさつの中で、埼玉県の大野知事から味では負けないので参加させてほしいという申し入れが、直接あったことを明らかにした上で、「いちごは栃木県の代名詞です。さまざまな機会をとらえて全国に発信してください」と呼びかけました。
イベントのあと福田知事は報道陣に対し、「栃木県の主力品種のとちあいかは生産者の努力で広く普及し、味も生産性も天下一品だ。強力なライバル、埼玉のいちごを味見したが、食感が違う。味でも量でも負けないよう、生産者とともに世界一を目指したい」と話していました。

いちごの生産量が日本一の栃木県は、これまで主力を担ってきた「とちおとめ」に代わって、新たな主力品種として「とちあいか」の生産拡大と販路拡大をすすめています。
「とちあいか」は、栃木県が、今から6年前に誕生させたオリジナル品種で、甘みが強くて実が大きく収穫量が多いほか病気や暑さに強いのが特徴です。
県は3年後の2027年に、県内のイチゴの栽培面積の8割を「とちあいか」にする戦略を発表しているほか、農家向けに栽培方法の研修会を実施するなどして切り替えを進めていますが、すでに今シーズンの栽培面積は「とちおとめ」を上回っています。
また、福田知事はみずから海外を訪問して栃木県のいちごをPRするトップセールスを行うなど国内外での販路拡大をすすめています。