雪崩で8人死亡裁判 高校生の遺族「重い刑罰を望む」

6年前、那須町で部活動での登山の訓練中に高校生らが雪崩に巻き込まれ8人が死亡した事故で、業務上過失致死傷の罪に問われている教諭ら3人の裁判で、裁判に参加している遺族が意見を述べ「重い刑罰を望む」などと訴えました。

平成29年3月、那須町の茶臼岳で高校の山岳部が集まって歩行訓練をしていたところ雪崩に巻き込まれ、生徒7人と教員1人の合わせて8人が死亡し、多くの生徒がけがをしました。
この事故で生徒の引率などにあたった猪瀬修一被告(57)、菅又久雄被告(55)、渡辺浩典被告(60)の教諭ら3人が業務上過失致死傷の罪に問われ、訓練を始める前に雪崩の発生を予見できたかどうかなどが裁判の争点となっています。
19日は、「被害者参加制度」を利用して裁判に参加している遺族が意見を述べました。
この中で、高校1年生だった長男を亡くした奥勝さんは「息子は未来を奪われ、息子のいない未来は私たちに深い傷を残します。私たち家族と息子本人の無念さをご理解いただきたい。可能な限り重い刑罰を望みます」と話しました。
また、高校1年生だった次男を亡くした高瀬晶子さんは、事故のあと3人から直接事故についての謝罪や説明はなかったと指摘し、「息子を失った悲しみのほかに、3人の言動に深く傷つけられました。事故に向き合おうとしない3人を到底許すことはできません」と述べました。
次回の裁判は来年2月29日に開かれ、検察側と弁護側がそれぞれ最終的な主張をし、検察が求刑を行う予定です。