高校生飼育豚肉 加工会社が表示偽り別肉混入 県が行政指導

宇都宮市の高校生が育てた豚の肉を仕入れ、地域のオリジナル商品として道の駅に納入していた市内の食肉加工卸売会社が、表示を偽って別の豚肉を混入させていたとして、栃木県から行政指導を受けたことが、県などへの取材でわかりました。

行政指導を受けたのは、宇都宮市の食肉加工卸売会社、「渡清」です。
県や関係者によりますと、この会社は、宇都宮白楊高校の生徒が高根沢町の農場で育てた豚の肉を仕入れ、町のオリジナル商品の「白楊豚」として町内の道の駅に納入していましたが、この中に、表示を偽った県産の別の豚肉を混入させていたということです。
混入は、少なくとも3年前から始まり、ことし10月までの間に、あわせて9300キロ余りにのぼっていたということです。
栃木県は、こうした行為は食品表示法に違反することが否めないとして、先月30日付けでこの会社に行政指導を行ったことが、県や関係者への取材でわかりました。
具体的には、食品表示のチェック体制を定期的に検証することや、すべての従業員に対して、制度の教育を行うことなどを求めたということです。
「道の駅たかねざわ元気あっぷむら」を運営する会社は、ことし10月下旬、表示の異なる豚肉が納入されていたことを発表し、施設内で扱っている「白楊豚」のすべての商品の販売を中止していました。

「白楊豚」は、宇都宮白楊高校の生徒が、授業の一環として高根沢町の農場で育てて出荷している豚で、町などがオリジナル商品として名前をつけ、町内の道の駅、「たかねざわ元気あっぷむら」のレストランや直売所などで販売されていました。

栃木県から行政指導を受けたことについて、宇都宮市の食肉加工卸売会社、「渡清」の渡邉秀夫社長は、NHKの取材に対し、「宇都宮白楊高校の生徒と関係者に大変ご迷惑をおかけし、おわび申し上げます」と謝罪しました。
そのうえで、今後について「法令やコンプライアンスを守りながら会社を運営し、社員ともども反省しながら取り組んでいきたい」と話しました。
この会社は、年内にも宇都宮白楊高校を訪れて謝罪する意向だということです。