日光 霧降高原 SNS人気で観光客増加 マナー違反も急増

高山植物のニッコウキスゲの貴重な群生地として知られる栃木県日光市の霧降高原が、美しい日の出などを見られるスポットとしてTikTokで人気となり、地元の管理事務所は、観光客の増加とともに急増しているゴミのポイ捨てなどのマナー違反に、頭を悩ませています。

栃木県日光市の標高1500メートル付近に広がる霧降高原は、およそ10ヘクタールの斜面に、毎年、初夏にかけて高山植物のニッコウキスゲが黄色い花を咲かせ、全国有数の群生地として知られています。
高原に設けられた「キスゲ平園地」の管理事務所によりますと、園内にある遊歩道の1400段をこえる階段を上った先の展望台は、美しい日の出や雲海を見られるスポットとして、数か月前から動画共有アプリのTikTokを中心に、若者の人気を集めるようになりました。
今の時期はこれまで、土日でも早朝は1日数人ほどしか訪れていませんでしたが、今では県の内外から土日の早朝は1日300人ほどが訪れていて、今月3日の祝日には600人以上にのぼったということです。
観光客の増加とともに急増しているのがゴミのポイ捨てなどのマナー違反で、山火事防止のため、園内は禁煙となっているのにたばこを吸って、吸い殻を捨てる人も多いということです。
このため管理事務所の職員たちは、ほぼ毎日のように朝からゴミ拾いに追われていて、拾い始めて10分ほどでレジ袋がいっぱいになっていました。
さらに、遊歩道から外れ、立ち入り禁止の草原に入って撮影する人もいて、管理事務所は高山植物の根が傷み、来年以降のニッコウキスゲなどの開花に影響が出ないかも心配しています。
「キスゲ平園地」の大橋富昭副所長は、「多くの人に知ってもらえてありがたい反面、一部の人のマナー違反に心を痛めています。自然環境の保全や環境の美化について、理解を深めてほしい」と話していました。

栃木県日光市の霧降高原でゴミのポイ捨てなどが相次いでいることについて、栃木県の福田知事も今月19日にSNSで「ルールを守れない人は来ないで!!」と投稿しました。
これについて福田知事は28日の定例会見で、「美しく雄大な自然は栃木県の大切な観光資源であり、自然が荒らされて、訪れた人に栃木の良さが伝わらなくなったら悔しいと思って投稿しました。観光客のみなさんにはルールを守って楽しんでもらいたい」と話していました。