雪崩で8人死亡事故裁判 教諭「下見の必要性感じず」

6年前、那須町で部活動での登山の訓練中に高校生らが雪崩に巻き込まれ8人が死亡した事故で、業務上過失致死傷の罪に問われている教諭ら3人の裁判で、被告人質問が行われ、教諭は「訓練コースを下見する必要性は感じなかった」などと述べました。

平成29年3月、那須町の茶臼岳で高校の山岳部が集まって登山の訓練をしていたところ雪崩に巻き込まれ、生徒7人と教員1人の合わせて8人が死亡し多くの生徒がけがをしました。
この事故で生徒の引率などにあたった猪瀬修一被告(57)、菅又久雄被告(55)、渡辺浩典被告(60)の教諭ら3人が業務上過失致死傷の罪に問われ、訓練を始める前に雪崩の発生を予見できたかどうかなどが裁判の争点となっています。
22日は前回に引き続き被告人質問が行われ、この中で講習会の会長を務め、事故当時は本部にいた猪瀬教諭が弁護士からの質問に答えました。
弁護士から訓練で使うコースの下見について問われると、教諭は「下見する必要性は感じなかった」と述べ、その理由として「那須岳は何度も行っていて慣れ親しんだ場所であり、さらに訓練中は生徒たちは常に教諭と行動するのでその場で判断すればよいと思った」と話しました。
また、事故当日の朝、3人で決めた訓練範囲については「雪崩の危険を排除したと認識している」と述べたうえで「自分は訓練中は後方支援をする立場だった」と話し、訓練中の判断は現場に同行した教諭の役割だと主張しました。
次回の裁判は来月19日に開かれる予定です。