足利市 名刀「山姥切国広」取得への支援金1億1千万円余に

国の重要文化財に指定されている名刀「山姥切国広(やまんばぎり・くにひろ)」の取得に向け、足利市が購入費用の一部を賄うため始めたクラウドファンディングが、31日、最終日を迎え、およそ2か月で集まった支援金は1億1千万円余りに上りました。

「山姥切国広」は、安土桃山時代に足利市ゆかりの刀工、堀川国広が藩主の依頼で作った国の指定重要文化財の名刀で、刀剣を題材にしたオンラインゲームで人気を博しています。
この「山姥切国広」の取得と管理にかかる費用を賄うため、足利市が9月1日から始めたクラウドファンディングは、31日、最終日を迎えました。
市によりますと、10月24日に目標の1億円に達し、最終日の31日午後4時現在で、1億1776万1000円が集まり、支援した人の数は4093人に上りました。
足利市地域創生課の渡邉正行副主幹は「大きな目標を立てたが、多くの支援をいただき達成することができた。ありがたい気持ちでいっぱいだ。来年度末の展示に向けて市役所全体で連携をとりながら進めていきたい」と話していました。
クラウドファンディングの受け付けは31日午後11時に終了し、ふるさと納税と企業からの寄付は年内いっぱい受け付けています。

刀剣で盛り上がる足利市では、刀剣にあやかった商品の開発や販売も行われています。
市内中心部の商店街にある、加工食品の製造販売を行う店では、「刀剣牛蒡」と呼ばれる商品を開発しました。
長さ、およそ15センチのごぼうの一部を削って「刀」に見えるよう加工しています。
また、長く刀剣が受け継がれてほしいという思いを込めて、「山姥切国広」の刃渡りと同じ70センチもの長さに加工した、かんぴょうの煮物も販売しています。
これらの商品を開発販売する「味工房ふ〜でゅ〜す」の梶志緒里さんは「クラウドファンディングは、たくさんの人の思いが積み重なって達成できたと思うので、市民の1人としてうれしく感激しています。商品もおいしく楽しんでもらいたい」と話していました。