高校山岳部雪崩事故 専門家「雪崩発生判断難しい」宇都宮地裁

6年前、那須町で部活動での登山の訓練中に高校生らが雪崩に巻き込まれ8人が死亡した事故で、業務上過失致死傷の罪に問われている教諭ら3人の裁判が開かれ、登山のリスクマネジメントに詳しい専門家が「雪崩が発生する危険を判断するのは難しい」などと証言しました。

平成29年3月、那須町の茶臼岳で高校の山岳部が集まって登山の訓練をしていたところ雪崩に巻き込まれ、生徒7人と教員1人の合わせて8人が死亡し多くの生徒がけがをしました。
この事故で生徒の引率などにあたった猪瀬修一被告(57)、菅又久雄被告(54)、渡辺浩典被告(60)の教諭ら3人が業務上過失致死傷の罪に問われ、訓練を始める前に雪崩の発生を予見できたかどうかなどが裁判の争点となっています。
13日宇都宮地方裁判所で開かれた裁判では、弁護側の証人として、登山のリスクマネジメントに詳しい専門家への尋問が行われました。
この中で冬山で雪崩が発生するリスクについて弁護側から問われた専門家は一般論として、「踏み込んだときに雪がずれる感覚があると危険を感じるが、この感覚がない場合、雪崩が発生するかどうか判断するのは難しい」と述べました。
次回の裁判は今月25日に開かれ、教諭ら3人への被告人質問が始まる予定です。