新型コロナ治療薬今月から一部自己負担に 医師からは懸念も

新型コロナウイルスの治療薬について、これまでは全額が公費で負担されていましたが、今月から、一部、自己負担を求められることになりました。
県内の医療関係者は、重症化のリスクがある患者が、薬の処方を希望しなくなるかもしれないと懸念しています。

新型コロナの治療薬について、厚生労働省はこれまで、全額の公費負担を続けてきましたが、今月から、ほかの病気との公平性を考慮し、年齢や所得に応じて3000円から9000円の自己負担を求めています。
宇都宮市の診療所では、ここ数日、1日3人から4人ほどの患者が、新型コロナの感染症と診断されていて、診察する武井大医師は、重症化するおそれがあっても、薬の処方を希望しなくなる患者が出るかもしれないと、懸念しています。
武井医師によりますと、ことし5月に法律上の位置づけが5類になり、PCR検査などにかかる費用に自己負担が求められるようになってから、検査を望まない患者が増えたということです。
武井医師は5日も、発熱を訴えて来院した80代の男性の家族に、「重症化が心配なので、異変があったら連絡してください」と声をかけていました。
「宇都宮協立診療所」の武井医師は「重症化のリスクがある患者は、軽症の段階で治療することが重要になる。負担が増えてしまっても、命を守るためには薬を飲む必要があることを理解してもらいたい」と話していました。