伝統の「山あげ祭」始まる 那須烏山

栃木県那須烏山市で、屋外に設けた手作りの舞台で地元の人たちが歌舞伎を演じる伝統の「山あげ祭」が始まりました。

「山あげ祭」は、地元特産の「烏山和紙」などでつくられた舞台装置が設営と解体を繰り返しながら市内を移動し歌舞伎が上演される伝統行事で、460年余りの歴史があり、ユネスコの無形文化遺産に登録されています。
21日朝、最初の上演場所となる路上では、およそ130人が1時間ほどをかけて高さ10メートルほどの「はりか山」と呼ばれる背景など、舞台装置を組み立てました。
そして、午前9時半、最初の演目「将門」の上演が始まりました。
平安時代の武将、平将門が討ち死にしたあと、その娘「夜叉姫」が妖術を使って敵の武将を惑わし、最後は正体を見破られるという展開の物語です。
集まった人たちは、奥行きのある美しい背景に仕上がった舞台の上で躍動する役者たちの演技を固唾をのんで見守っていました。
ことしは、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが「5類」に移行してから初めての開催で、地元の女性は「久しぶりに表情がよく見え、楽しい祭りになりました」と話していました。
また、横浜市から訪れた男性は「若い人たちが力を合わせて舞台を立ち上げるのが魅力だと思います。若い世代が引き継いで盛り上げていってほしい」と話していました。
那須烏山市の「山あげ祭」は23日まで行われます。