那須雪崩事故で県は控訴しない方針 判決が確定へ

6年前、栃木県那須町で登山の訓練中だった高校生など8人が雪崩に巻き込まれて死亡し、宇都宮地方裁判所が、28日、県に賠償を命じた判決について、県側が控訴しない方針を明らかにしました。
原告の遺族なども控訴しない方針で、判決が確定する見通しになりました。

平成29年3月、栃木県那須町の茶臼岳で、高校の山岳部が登山の訓練をしていたところ、雪崩に巻き込まれ、生徒7人と教員1人のあわせて8人が死亡しました。
このうち5人の遺族が県や指導役の教諭ら3人などに賠償を求めた裁判で、宇都宮地方裁判所はおととい、県と県の高校体育連盟に対し、あわせて2億9000万円あまりの賠償を命じました。
30日、栃木県教育委員会の阿久澤真理教育長が会見し、県が控訴しない方針を明らかにしました。
そのうえで、「3人の教諭の過失により、県が賠償責任を負うことについて重く受け止めている。部活動の安全管理のチェックや支援体制が整備されていなかったことも事故の要因になったと考えている」と述べました。
県の高校体育連盟も原告の遺族も控訴しない方針で、県に賠償を命じる判決が確定する見通しになりました。

これについて栃木県の福田知事は、「県としての責任を重く受け止め、控訴しないことといたしました。改めまして、亡くなられた8名の方々とご遺族、負傷された方々へ心よりおわび申し上げますとともに、事故の再発防止について教育委員会とともに真摯(しんし)に取り組んで参ります」というコメントを発表しました。