喜連川少年院で高校通信制課程の入学式
全国で唯一、高校の通信制課程を置いている県内の少年院で入学式が開かれ、新入生1人が高校生活をスタートさせました。
さくら市にある喜連川少年院では、県立宇都宮高校の協力を得ておよそ50年前から通信制課程を置いていて、11日は17歳の少年が新入生として入学式に臨みました。
式では宇都宮高校の菅谷毅校長が「あなたの入学を心から祝福しています。不安な気持ちも大きいと思いますが、自分を向上させたいという強い意志を持って入学を希望したことをしっかりと胸に刻んでください」と激励しました。
このあと、新入生は司会から名前を呼ばれると大きな声で「はい」と返事をし「入学を許可され喜びに堪えません。初志貫徹の強固な意志を持って最後まで努力することを誓います」と述べました。
新入生は来週から週に1回、宇都宮高校の教諭が少年院を訪れて行う授業を受けるほか、レポート課題の提出や定期試験を通じて単位を取得し、卒業を目指すということです。
高校で少年の担任を務める宇都宮高校通信制課程の教諭は「これからに向けての期待感を感じ取れた。きょうの気持ちを持ち続けて知識や学びを深め、これからの生活に生かしてもらいたい」と話していました。
また、少年院で少年の指導にあたる教官は「緊張している様子だったが本人は『卒業したい』という非常に強い決意があるので、入学式を無事に終えられてよかった。社会に通用する人に成長してほしい」と話していました。