6年前の雪崩事故 損害賠償裁判が結審 6月に判決
6年前、那須町で登山の訓練中に高校生らが雪崩に巻き込まれ8人が死亡した事故で、遺族の一部が県や引率の教諭3人などに対し損害賠償を求めている裁判は、8日、結審しました。
判決は6月に言い渡されます。
6年前の平成29年3月、那須町の茶臼岳で高校の山岳部が登山の訓練をしていたところ雪崩に巻き込まれ、生徒7人と教員1人の合わせて8人が死亡しました。
このうち5人の遺族は、指導者が国や県からの通達を守り、当日の気象情報などを把握していれば事故は予想できたなどとして、県と県の高校体育連盟、それに引率の教諭3人に対し合わせて3億8500万円余りの損害賠償を求めています。
8日、宇都宮地方裁判所で開かれた裁判では原告への尋問が行われ、亡くなった5人の遺族が3時間余りにわたって1人ずつ原告側の弁護士の質問に答えました。
このうち当時、高校1年生だった長男を亡くした奥勝さんは「引率していた教諭3人に対してどう思うか」と尋ねられると「怒りしかない。自分たちには責任がないと主張し続けており、私たちは6年間、苦しめ続けられている」などと時折、涙をこらえながら答えていました。
これまでの裁判で、被告側は県と県高校体育連盟に賠償責任があることは積極的に争わない姿勢を示していますが、教諭3人には責任がないとして訴えを退けるよう求めています。
一方、原告側が当初求めていた教諭3人への尋問は行われず、裁判は8日、結審しました。
判決は6月28日に言い渡されます。