来年8月開業予定のLRT 試運転始まる 宇都宮

来年8月の開業を予定しているLRT=次世代型路面電車の試運転が17日から宇都宮市で始まりました。

LRTは、JR宇都宮駅の東口から芳賀町の工業団地までの14.6キロの区間で整備が進められていて、来年8月に開業する予定です。
17日は、宇都宮市下平出町の車両基地から「平石」停留所までのおよそ200メートルの区間で初めての試運転が行われました。
LRTの車両は時速5キロの人が歩くほどのゆっくりとしたスピードで車両基地を出発し、途中でカーブにさしかかると一時停止して、点検の担当者が線路沿いの柱などと車両の間隔が適切かどうか確認を行っていました。
周辺などには試運転を一目見たいと多くの人が訪れ、次々に写真を撮っていました。
宇都宮市の70代の男性は「試運転を心待ちにしていたので、実際に動いているのを見てほっとしています」と話していました。
試運転に立ち会った宇都宮市の佐藤栄一市長は「来年の開業に向けた第一歩で感無量です。安全運転で乗客を運ぶため、試運転でさまざまな点を確認し、気を引きしめていきたい」と話していました。
この試運転は17日と18日の夜間、「平石」停留所から「宇都宮駅東口」停留所までのおよそ4キロの区間でも行われ、今月21日からはこの区間で車両の加速やブレーキの動作確認が予定されているということです。
【新たな交通ルールに注意】
17日始まったLRTの試運転は、来年8月の開業まで断続的に続けられることになっています。
このため、今後、宇都宮市や芳賀町では街なかに整備された軌道の上をLRTの車両が実際に走行するようになることから、車を運転するドライバーなども新たな交通ルールに気をつける必要があります。
県警察本部によりますと、軌道沿いの道路では一般車両用の信号機の横にLRT専用の黄色い矢印が表示されます。
また、一般車両はLRTの軌道の上を走行したり停車したりすることは、原則できません。
交差点を右折する際に軌道の上を通過するのはやむをえないということですが、右折待ちの際に軌道内に進入して停車してしまうと、LRTの走行の妨げになるため注意が必要です。
このほか、LRTの停留所が設置されるのに伴い、停留所から歩いて道路を横断する歩行者に対し、車を運転するドライバーは注意する必要があります。
県警察本部交通企画課は「最初は戸惑う人もいるかもしれませんが、LRTについての交通ルールを知り、ルールをしっかり守って事故防止に努めてほしい」とコメントしています。