足利家2代当主 義兼描いた短編アニメ 米の国際映画祭で入賞

栃木県ゆかりの武将、足利家2代当主・義兼を描いた短編アニメーション作品が、アメリカの国際映画祭で入賞を果たしました。

アニメーション作品「うずらの鳴かぬ里ー足利義兼伝ー」は、宇都宮市にある文星芸術大学の繁村周助教とクリエーティブディレクターのRa Venさんが共同監督を務めた12分の短編作品です。
平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて、今の足利市のあたりを治めた足利家2代当主・義兼を題材に、侍女の計略で自害した妻・時子と、戦でなくなった人々の鎮魂のため僧侶となった義兼の生きざまを、切り絵と実写を織り交ぜた映像にギターの幻想的な音楽を合わせて描いています。
この作品が、アメリカの国際映画祭「IndieFEST Film Awards」のアニメーション部門と歴史・伝記部門の2部門で入賞したということです。
この映画祭は2008年に設立され、過去の受賞作には、アカデミー賞で「短編アニメーション賞」を受賞したものもあります。
監督の一人の繁村助教は、アートを通して地域の歴史を発信する活動を行っていて、今回の作品は、晩年、自らの血で「みな力を合わせて生きよ」と遺書につづったという義兼の未来への願いを、今なお争いや疫病に苦しむ現代の人々に伝えたいという思いで作ったということです。
繁村助教は「作品が世界に認められてうれしい。栃木に眠っている文化を若い世代や世界に発信して、いろいろな輪をつくっていきたい」と話していました。