「熱中症特別警戒アラート」シェルター指定する方針は13市町

特に気温が高くなる日に発表される「熱中症特別警戒アラート」の運用が24日から始まりました。
自治体には、エアコンが効いた施設を「クーリングシェルター」としてあらかじめ指定し、発表された場合に開放することが求められますが、NHKが三重県内の市と町に取材したところ、ことしシェルターを指定する方針を固めている自治体は、半数未満の13にとどまることが分かりました。

きょうから新たに運用が始まった「熱中症特別警戒アラート」は、気温や湿度などをもとに算出される「暑さ指数」が都道府県内のすべての観測点で35以上と予測された場合、前日に発表され、環境省は、広域で過去に例のない暑さとなり健康に重大な被害が出るおそれがあるとして、自分だけでなく周りの人の命を守るよう呼びかけます。
そして、アラートが発表された都道府県では、熱中症を予防する行動の徹底のほか、自治体は公共や民間のエアコンが効いた施設を「クーリングシェルター」としてあらかじめ指定し、発表された場合に開放することが求められています。
この「クーリングシェルター」の指定の状況について、NHKが三重県内29の市と町に取材したところ、「指定した」あるいは「指定する予定」と答えた自治体の数は13だった一方、「指定する予定はない」と答えたのは3、「指定するかどうか決まっていない」が13でした。
「指定する予定はない」もしくは「指定するかどうか決まっていない」と答えた自治体に、その理由を尋ねたところ、「ふだんから住民が公共施設などを気軽に利用しているので、あえて指定する必要はない」とか、「近くに指定できる施設がない場合、車を持たない高齢者などは移動が逆に危険になる可能性もある」、「特別警戒アラートのレベルの暑さは過去にないため」などといった回答がありました。
県は「クーリングシェルター」の設置などの対応について、市や町の担当者を対象に24日、説明会を開きました。
まだ「クーリングシェルター」を指定していない自治体の中には、この説明会を受けて検討を始めたいとしているところもあります。
「クーリングシェルター」は、▽公民館や図書館などの公共施設や▽ショッピングモールといった商業施設などの冷房が効いた部屋を開放し、熱中症の対策に役立てる施設で、各地で取り組みが進められています。

《桑名市が31公共施設を「クーリングシェルター」に指定》
去年、三重県内では、桑名市が唯一、市役所や福祉関係の施設など市内31の公共施設を「クーリングシェルター」に指定し、ホームページなどで公表して活用を呼びかけました。
このうち、市役所の地下1階のスペースは、エアコンが6基設置され、休憩できるいすや机などが置いてあります。
このスペースはふだんから、市役所が開いている時間に市民が自由に利用することができますが、暑さを感じたときにも利用してもらいやすいよう、シェルターに指定して公表したということです。
市では、ことしも去年と同じ規模でシェルターを指定する見通しだということで、桑名市保険医療課の出口泰隆課長補佐は「電気代が高騰しているため、エアコンの利用を控える人も多いかと思うが、これからさらに暑くなるので、自宅でも我慢せずにエアコンを使って体を冷やすよう心がけたうえで、こういった施設も活用してほしい」と話していました。