多度大社「上げ馬神事」 改善策実施後初めて馬が坂駆け上がる

馬に乗って急な坂を駆け上がる、三重県の多度大社の「上げ馬神事」の実施に向けて、20日、神社での練習が行われ、改善策として坂の頂上の壁をなくしたあと、初めて馬が実際に坂を駆け上がりました。

桑名市の多度大社で行われた練習には、「上げ馬神事」を行う地元の青年会の人など200人以上が参加しました。
これまで神事の決まりごととして事前の坂の練習は行っていませんでしたが、神事をめぐり、「動物虐待だ」といった批判が神社などに寄せられる中、馬や人がけがをしないよう行われました。
また改善策として坂の頂上の壁をなくしたあとに馬が実際に坂を駆け上がるのは初めてです。
20日は神事に参加する9頭の馬、すべてが坂を走り、坂に人がいる状況といない状況での馬の様子の違いなどを確認しました。
講師を務めた乗馬クラブ代表の中村勇さんは、「坂を走っても問題がないことを馬に伝えたくて行ったが、無事に上がっていってほっとした。人も馬も何事もなく終わり、いい神事になってほしい」と話していました。
また、神事を行う「多度大社御厨総代会」の伊藤善千代会長は、「馬が力強く走っていていいと思いました。けがのないように実施し、神事を行う側も見る側も楽しめる神事になれば」と話していました。
ことしの神事は、5月4日と5日に多度大社で行われます。