細川護煕さんの絵や陶芸などの作品展 菰野町

旧熊本藩主の細川家の当主で、内閣総理大臣も務めた細川護煕さんが手がけた絵や陶芸などの作品を集めた展示会が、三重県菰野町の美術館で開かれています。

細川さんは60歳で政界を引退したあと、神奈川県湯河原町の自宅などで、書画や陶芸の美術作品の制作に取り組んでいます。
会場のパラミタミュージアムには、細川さんが手がけた作品100点余りが展示されています。
このうち、細川さんが京都の南禅寺に奉納し、今回特別に展示されたふすま絵、「赤壁舟遊図」は、中国の詩人が三国志の赤壁の戦いを回想して詠んだ詩を題材に、月明かりのもとで、川面に浮かぶ小舟で酒を酌み交わす人々が描かれています。
また、細川さんがロシアによるウクライナ侵攻に心を痛めて描いた油彩画、「百鬼蛮行〜私のゲルニカ〜」は、事故を起こした原発を石のひつぎを意味する石棺に閉じ込めたのと同じように、兵士や戦車などを石棺の中に描き、平和への祈りを込めた作品です。
パラミタミュージアムの衣斐唯子学芸員は「細川さんが考える美の世界を感じてもらい、作品を多くの人に見てほしい」と話していました。
この展示会は6月2日まで開かれています。