長さ2メートル余大きな和紙づくり 伊勢市

三重県伊勢市特産の和紙を、手もみのお茶作りなどに活用してもらおうと、市内の製紙会社が、長さ2メートル余りある大きな和紙を開発し、製造作業が始まりました。

伊勢和紙は、県の伝統工芸品にも指定されている特産の手すきの和紙で、現在は、伊勢市内で明治時代から続く製紙会社1社だけが製造しています。
この会社では、手もみのお茶を作る際に作業台にはったり、インクジェットプリンターで大きな写真を印刷したりするために使ってもらおうと、長さ約2.4メートル、幅約1.5メートルの、「五八判」と呼ばれる大きさの紙を新たに作ることになりました。
26日は、職人2人が作業に当たり、はじめに、コウゾと水などが入った水槽に、竹で編んだ「す」を敷いた木枠を入れて、息をあわせて原液をすくっては薄くのばしていきました。
続いて、機械で「す」を釣り上げ、隣の作業台で和紙をはがしていました。
このあと、ジャッキを使って圧縮し水を抜き、2〜3日乾燥させると完成するということです。
手すき歴23年の中島鉄兵さんは「この大きさの紙漉きを行っているのは少ないので、それを伊勢でやっているのは誇りに思います」と話していました。
大豊和紙工業の中北喜亮社長「和紙が完成したら、お茶の業界の方にお披露目をしたいと思います」と話していました。