萬古焼 別の鉱石使う研究成果発表 鉱石の確保難しくなるか

三重県四日市市などで特産の焼き物「萬古焼」の原材料となるリチウムを含んだ鉱石の確保が難しくなる中、県工業研究所の研究員が釉薬に使う鉱石の使用量を減らしたうえで、別の鉱石を使うなどした製法についての研究成果を発表しました。

萬古焼では耐熱性を高めるため、リチウムなどを含むペタライトと呼ばれる鉱石を原材料として使っていますが、リチウムは電気自動車のバッテリーにも使われるため、確保が難しくなっています。
こうした中、県工業研究所では鉱石の使用量を減らす製法について、研究を行っていて、21日は四日市市の「ばんこの里会館」で、研究成果の発表が行われました。
この中で研究員は釉薬に使う鉱石の使用量を半分程度に抑えたうえで、代わりにナトリウムなどを含んだ別の鉱石を使うことで、焼き上がったときに発生するひび割れを抑えることができたと報告しました。
また、県の県産品振興課の担当者は、新年度=令和6年度にペタライトの代わりとなる原材料の研究や調達ルートの調査などに補助金を出す制度を設ける予定だと報告しました。
県工業研究所窯業研究室の庄山昌志室長は、「業界の発展やビジネスの継続のために研究成果が生かされ、よい循環が生まれるようにしたい」と話していました。