「斎宮跡」 宮殿中心施設の西側に建物跡

三重県明和町の国の史跡「斎宮跡」で、伊勢神宮に仕えた皇族の女性「斎王」が奈良時代に暮らしていたとされる宮殿の中心施設の西側で建物跡が新たに見つかり、調査を行っている博物館は建物の配置の解明につながる成果だとしています。

「斎宮跡」は飛鳥時代から南北朝時代にかけて伊勢神宮に仕えた皇族の女性、「斎王」が暮らしていた「斎宮」の跡地です。
去年の調査で奈良時代の宮殿の中心施設だった「正殿」の跡が見つかり、斎宮歴史博物館が当時の宮殿の姿を詳しく知るために発掘を続けていました。
その結果、「正殿」の西側で1辺70センチほどの四角い柱穴11個が約2.3メートルの間隔で並んでいるのが見つかり、「西脇殿」と呼ばれる建物の跡とみられることがわかりました。
正殿周辺ではこれまでに「東脇殿」跡も見つかっていて、斎宮歴史博物館では、奈良時代の斎宮では「正殿」を囲むように6つの脇殿が配置され、当時の天皇の住まいに通じる建物の配置だったとみています。
調査の成果は9日午前10時から現地で一般向けに説明されます。
斎宮歴史博物館調査研究課の川部浩司課長代理は「西脇殿の役割はまだわかっていないが都のような配置の建物がこの場所にあったことがわかってきた。斎王がいた宮殿を現地で感じてほしい」と話していました。