熊野古道を次の世代へ 保全のあり方考える 津市

世界遺産登録からことしで20年となる熊野古道について、自然や景観の保全のあり方を考える講座が津市で開かれました。

熊野古道を含む、「紀伊山地の霊場と参詣道」は、2004年に世界文化遺産に登録されことし7月で20年となります。
それを前に開かれた講座では、ユネスコの諮問機関、ICOMOSの委員の伊藤文彦さんが講師をつとめました。
熊野古道伊勢路を中心に研究している伊藤さんは、紀伊山地の自然が信仰の対象や林業や炭焼きといったなりわいの場として人々と関わってきた歴史があることなどを紹介しました。
その上で、人々と自然が積み重ねてきた関係をふまえて保全のあり方を考えることで、熊野古道を次の世代へ継承できるのではないかと伝えました。
講座はおよそ30人が受講し熱心にメモをとりながら話を聞いていました。
受講した松阪市の60代の女性は「熊野古道が好きで何度か訪れたことがありましたが、話を聞くことでより興味がわきました」と話していました。
講師の伊藤さんは、「講座を通して、大切な遺産を次の世代へ引き継いでいく思いを新たにしてもらえたらうれしい」とと話していました。