熊野古道 ことし7月 世界遺産登録20年 県 観光推進へ

熊野古道が世界遺産に登録されてことし7月で20年を迎えます。三重県は、ことし1年を通してサミットやシンポジウムなど、記念事業を行い、インバウンドをはじめとする観光を推し進めたい考えです。

三重・和歌山・奈良の3県にまたがる熊野古道を含む、「紀伊山地の霊場と参詣道」は、2004年に世界文化遺産に登録され、ことし7月、登録から20年を迎えます。
三重県では周辺の市町や観光関連の団体などと連携し、ことし1年間を通して関連の事業を行うことにしています。
このうち、2月には三重県と和歌山県、奈良県の3県の知事が集まった記念サミットを東京で開催し、共同で熊野古道の魅力を発信し、今後の連携について話し合います。
また、巡礼の道が世界遺産に登録され、県と協力・連携の覚書を結んでいるスペインのバスク自治州から関係者などを招いた国際シンポジウムを7月に開催する予定です。
県によりますと、熊野古道にはおととし、17か所の峠に推計29万人が訪れていて、外国人観光客なども含むさらなる来訪者数の増加が期待されている一方、案内標識やインバウンド向けの宿泊施設などの整備の強化、それに、保全活動を行っているボランティアの高齢化などの課題が指摘されています。
県は、「観光としての活用と次の世代へ伝えていくための保全の両輪で20周年事業を進めていきたい」としています。