三重大学などの研究グループ イルカの”ふん”から年齢推定

水中で採取した野生のイルカのふんをDNA解析することで、イルカの年齢を推定できることをつきとめたと、三重大学などの研究グループが発表しました。
この手法を活用すればイルカを捕獲せずに年齢の分布を把握でき、絶滅リスクの予測などに役立てられるとしています。

この研究は、三重大学大学院生物資源学研究科博士課程の八木原風さんらの研究グループが、国際的な学術誌のオンライン版で発表しました。
研究では、2014年から2021年にかけて、伊豆諸島の御蔵島周辺の水中で採取した、ミナミハンドウイルカのふんの61のサンプルをDNA解析しました。
その結果、一部の遺伝子で「DNAのメチル化」と呼ばれる現象が起きる割合が、年齢を重ねるごとに高くなることが確認でき、御蔵島観光協会の協力を得て個体の識別情報と照らし合わせたところ、平均で5歳程度の誤差で年齢を推定できることがわかったということです。
研究グループでは、この手法を用いることでイルカを捕獲せずに年齢の分布を把握でき、絶滅リスクの予測などに役立てられるとしています。
八木原風さんは「今後は精度を向上させるとともに、研究者も動物も危険やストレスがなく研究できるこの手法を広めていきたい」と話しています。