東員町「上げ馬神事」神事行わず コロナ禍ノウハウ継承難しく

三重県東員町の猪名部神社で鎌倉時代から続くとされる伝統の「上げ馬神事」について、主催団体が来年、神事を執り行わないことを決めました。
コロナ禍でノウハウの継承が難しくなり、再来年以降の開催も厳しい状況だとしています。

三重県東員町の猪名部神社では、鎌倉時代から続くとされる、馬に乗って坂を駆け上がり頂上の壁を乗り越える「上げ馬神事」が行われていて、三重県の無形民俗文化財に指定されています。
神社では「上げ馬神事」に使う馬の確保が難しくなったこともあり、ことしは境内などを馬に乗って練り歩く「馬曳き」を行っていました。
こうした中、主催する東員町流鏑馬保存会は、11月末に会議を開き、来年も「上げ馬神事」を執り行わず、ことしと同様「馬曳き」を行うと決めたということです。
理由について、神社では、コロナ禍で馬を飼う地域の人が減り、神事のノウハウが継承できなくなったとしていて、再来年以降の開催も厳しい状況だということです。
また、「上げ馬神事」をめぐっては、桑名市の多度大社で馬が殺処分されたことなどから動物虐待だと批判が寄せられていて、同様の意見が猪名部神社や役場などにも届いていたということです。
猪名部神社は「先祖代々受け継いできた『上げ馬神事』が『馬曳き』に変わっても、地域で1つになって祭りを継承したい」と話しています。