体罰の被害者の相談に県警「不適切な対応」再発防止を徹底

レスリングでオリンピックを3連覇した吉田沙保里さんの兄、栄利さんが、数年前、津市のレスリング教室に通う子どもに体罰をしたなどとして日本レスリング協会から処分を受けたことに関連し、県警察本部は、相談に訪れた被害者に対して不適切な対応を行っていたとして、再発の防止を徹底する考えを示しました。

吉田沙保里さんの兄、栄利さんは、数年前、みずからが指導する津市のレスリング教室で子どもに体罰をしたなどとしてレスリング協会から2年間の指導者資格停止処分を受けました。
これに関連して、一部週刊誌はことし、けがをした子どもや親が津南警察署に相談に訪れた際、どう喝されたり、事件にしないことを求めるような書面を作成させられたりしたなどと報じられました。
24日に開かれた県警察本部の定例の記者会見で、射場重人刑事部長は「事案について警察署の対応を確認したところ配慮にかける不適切な点があった。幹部職員が相談者に丁寧に説明しておわびした」と述べました。
そのうえで、「警察として事案を重く受け止めている。今後、再発防止を徹底するとともに被害者の立場にたった誠実な対応をしていきたい」と述べました。
一方で警察は、不適切な対応の具体的な内容などについては、「捜査に支障が出る」として明らかにしていません。