事件で娘亡くした遺族訴え”犯罪被害者に寄り添った制度を”

犯罪被害者の支援について話し合うシンポジウムが三重県桑名市で開かれ、10年前、朝日町で起きた事件で娘を亡くした遺族は「もっと被害者に寄り添った制度ができてほしい」と訴えました。

このシンポジウムは、中部弁護士会連合会が開催したもので、会場やオンラインで300人余りが参加しました。
今回は、犯罪被害者の損害賠償請求がテーマに取り上げられ、10年前、朝日町で、当時高校生の元少年から暴行を受けて娘を亡くした寺輪悟さんが、パネリストとして参加しました。
この中で寺輪さんは、「娘が殺され、逮捕時の強盗殺人から、強制わいせつ致死と窃盗に罪名がなるなど、司法にもふみにじられた。損害賠償はいまだに1円も支払われていないのに、もうすぐ時効を迎える」と述べました。
また、損害賠償請求は、加害者に資力がないことなどから回収率がかなり低く、被害者側の負担が大きいとされ、寺輪さんは「今のままでは泣き寝入りする被害者が多くなるとして、行政が賠償を立て替える制度などができれば、多くの遺族が救われる」と訴えました。
寺輪悟さんは「被害者への支援が前向きに進んでいくことを祈っています」と話していました。