東員町 猪名部神社の「上げ馬神事」11年で3頭死ぬ

三重県桑名市の神社の伝統行事「上げ馬神事」をめぐり、「動物虐待ではないか」などと指摘されていることを受けて、県が、東員町の神社の同様の神事について調査したところ、11年間であわせて3頭の馬が事故で死んだり、殺処分になったりしていたことがわかりました。

若者が馬に乗って急な坂を駆け上がる、桑名市の多度大社の「上げ馬神事」をめぐっては、令和5年、参加した馬が骨折し、殺処分となるなどして、「動物虐待ではないか」という指摘が出ています。
これを受けて、県が、多度大社の神事とともに県の無形民俗文化財に指定される東員町の猪名部神社の「上げ馬神事」について調査したところ、対象とした平成21年以降、新型コロナの感染拡大で中止となるまでの11年間で、あわせて3頭の馬が事故で死んだり、殺処分になったりしていたことが県への取材でわかりました。

このうち、平成22年には1頭が坂で転倒してその場で死んだほか、平成23年と平成27年にはそれぞれ1頭が、骨折したあと、獣医師による殺処分の対応がとられたということです。

県は、多度大社の神事について、警察や地元の関係者などが参加する協議会で、今後の改善策の検討を進めています。
猪名部神社の神事については、「今後、社会に受け入れられる神事のあり方について、主催者と考えていきたい」としています。

主催者の東員町流鏑馬保存会は、NHKの取材に対して、「過去、馬をたたくなどの行為について指摘を受けたこともあり、そのつど改善してきた。さらに危険性を軽減させられないかなど関係者と意見交換を行い、今後の対応を判断したい」と話しています。