“上げ馬神事で馬に暴力的行為” 環境保護団体が告発状提出

三重県桑名市の多度大社で行われる伝統行事「上げ馬神事」について、ことしの神事で関係者が馬に暴力的な行為をしたなどとして長野県に拠点を置く環境保護団体が動物愛護法違反の疑いで警察に告発状を提出したと発表しました。

「上げ馬神事」は、若者が馬に乗って急な坂を駆け上がる伝統の神事ですが、5月の神事では、参加した馬1頭が転倒して骨折し、獣医師による殺処分の対応が取られるなど「動物虐待ではないか」という指摘が出ています。
こうした中、長野県に拠点を置く環境保護団体「Life Investigation Agency」が、神事の関係者などが5月の神事で馬に暴力的な行為をしたなどとして動物愛護法違反の疑いで三重県警察本部に告発状を提出したと発表しました。
告発状によりますと、関係者らは素手や縄で馬をたたいたり、はんてんを振り回して馬を威嚇したりするなどの暴力的な行為をして集団で恐怖や不安を引き起こし、馬を興奮させる虐待を行ったなどとしています。
神事に参加した各地区の代表を務める男性はNHKの取材に対し、「これまでも暴力的な行為をしないよう各地区に周知してきたし、今後も徹底したい。告発状については、内容を確認できておらずコメントできない」と話しています。
また、県警察本部は「告発状が出されたかどうかも含めてコメントは差し控えます」と話しています。