明和町が斎宮跡などで麻薬成分ほとんどない大麻草を栽培へ
大麻草の国内での生産が減少し、神社のしめ縄などに使う繊維の確保が難しい状況になっている中、三重県明和町は、町内にある国の史跡の斎宮跡などで、麻薬成分のほとんどない大麻草を栽培するプロジェクトを始めると発表しました。
このプロジェクトは、明和町や三重大学、皇學館大学、それに三重県から特別に許可を受けて、大麻草を栽培し神社などに出荷している県内の企業などが参加して行うものです。
大麻草をめぐっては、国内での生産が減少し、神社のしめ縄や神事に使う繊維「精麻」の確保が難しくなっていることが課題となっていました。
こうした中、明和町では国の史跡「斎宮跡」のうち、町が所有する3か所、合わせて60アールで、麻薬成分のほとんどない大麻草を栽培することになりました。
大麻草は成長が早く、二酸化炭素の削減効果も期待できると言うことで、町では4月にも種をまいて栽培を始める予定です。
町では、大麻草を活用した糸や布を生産する技術の継承などにも取り組むと言うことで、明和町の世古口哲哉町長は「大麻草の栽培で二酸化炭素を削減するとともに、町の新しい産業として雇用の創出につなげたい」と話していました。