小学生が自宅近くの山で中世の遺跡を発見 津市

津市の小学生が去年、自宅近くにある山でつぼや銅鏡を見つけ、市の教育委員会が発掘調査を行ったところ、見つかったのは平安時代の終わりから鎌倉時代前半ごろの副葬品で、この場所が当時の有力者の墓だったことがわかりました。

つぼなどを見つけたのは、津市に住む小学6年生の伊藤瑚太郎くんと3年生の展梧くんの兄弟です。
2人は去年1月、いつも遊び場にしている自宅近くの山を歩いてた際に、通り道にあった大きな石をどけたところ、つぼや銅鏡、それに鉄の刀が埋まっているのを見つけたということです。
連絡を受けた津市の教育委員会では去年6月、発掘調査を行い、その後、出土した遺物の研究を進めていました。
その結果、つぼは“耳”と呼ばれる飾りが4つあり、山形の模様がある特徴などから12世紀ごろ、平安時代の終わりから鎌倉時代前半ごろに渥美半島で生産されたものとみられるということです。
また、銅製の鏡と鉄の刀は人為的に曲げられた形跡があり、教育委員会では、見つかったのは副葬品で、この場所が当時の有力者の墓だったと結論づけました。
津市教育委員会の中村光司文化財担当主幹は「市内の中世の墓から鏡が出るのは珍しく、刀を伴っていたことも興味深い。当時の埋葬文化を考える上で貴重な発見だ」と話しています。
伊藤瑚太郎くんは「以前から歴史は好きでしたが、おもしろい、興味深いという気持ちに変わりました」と話していました。