障害者雇用に理解を 重度の障害ある女性が就職体験を講演

手足などに重度の障害がある三重県の女性がこの春、自宅から離れた高齢者施設にオンラインの業務で就職した体験を講演し、障害者の雇用への理解を呼びかけました。

30日、津市で開かれた講演会は、三重県が開催しました。
県南部の熊野市に住む山本敦子さん(29)は、幼いころから手や足などに重度の障害があり、1人での遠出ができませんが、ことし4月、自宅から離れた津市の高齢者施設にオンラインの業務で就職しました。
テレビ電話で、施設の利用者とコミュニケーションをとるのが仕事で、山本さんは「最初は不安だったが自分でも楽しく働くことができる」と障害者の雇用への理解を呼びかけました。
また、山本さんの上司の男性は、山本さんを雇用したことで、利用者とのコミュニケーションの時間が増え、ほかのスタッフも入浴の介助などの業務に集中できるようになるなどメリットが大きいと説明しました。
県雇用対策課の森下道大係長は「当事者の声を多くの人に聞いてもらい、さまざまな事業所で障害者の雇用が広がっていてほしい」と話していました。