高岡市が被災住民に復旧道路の高さ示す 能登半島地震で液状化

能登半島地震で液状化の被害が相次いだ高岡市で、市は、住民が住宅を再建する際の基準となる復旧後の道路の高さを決め、現地で住民への説明を始めました。

高岡市では、液状化で地盤沈下や住宅の傾きなどの被害が相次ぎ、5400棟余りの住宅に被害が出ました。
市は被害の大きかった地区では道路や下水道などインフラの復旧に3年程度かかるとしています。
ただ、住民が自宅を再建する際は床の高さを決めるために復旧後の道路の高さを把握する必要があることから、市は復旧工事を進めるにあたって道路の高さを決め、7月から伏木地区と吉久地区で住民への説明を始めました。
16日は伏木地区で市や県の職員11人が道路沿いの住民に声をかけ、自宅前の道路や側溝が復旧工事によって現状よりどのくらい高くなったり低くなったりするのかを、図面を見せながら伝えていました。
高岡市土木維持課の清水重秀係長は「道路の高さを示すだけでなく、住民の質問に答えながらできるだけ早く作業を進めていきたい。家を建て直してこの地区に住み続けようとする人が増えてくれるとうれしい」と話していました。
市はことし秋以降に横田地区でも住民向けに説明した上で、伏木と吉久、横田地区でインフラの復旧工事に着手することにしています。

【高岡市吉久地区 段差と水害に対応】
同じく住民への説明が行われている高岡市の吉久地区では液状化で道路が隆起し住宅が沈んだため、道路と住宅の間に50センチ以上の段差ができ、車の出し入れができなくなった住民もいます。
そこで市は、道路の高さを最大で40センチほど下げることで段差を最大で17センチに抑え、スロープを設けることで車の出入りもできるようにするということです。
またこの地区では地面の下にある排水路の高低差が変わったため、住民からは大雨の際に川への排水が追いつかず内水氾濫が起きるリスクを懸念する声が上がっています。
このため市は、被災した道路や排水路が川に向かって低くなるように復旧工事を進めるとともに、道路より低くなった住宅に雨水が流れ込まないよう住宅と道路の間に新たに側溝を設ける計画です。
住民の串岡弘昭さん(77)は「側溝を設けるなどの対策をとってもらうことで地域を離れる人が減ってほしい」と話していました。