「黒部宇奈月キャニオンルート」関西電力の安全対策工事が完了

一般開放が延期されている「黒部宇奈月キャニオンルート」について、関西電力は5年前から実施していた安全対策工事や耐熱構造の新型客車の配置などが予定どおりすべて完了したと発表しました。

「黒部宇奈月キャニオンルート」は、黒部峡谷鉄道の終点の欅平駅と黒部ダムまでを結ぶ全長約18キロの関西電力の工事用路線です。
関西電力と富山県との協定に基づいて、当初の予定では6月30日から一般開放されることになっていましたが、黒部峡谷鉄道の「鐘釣橋」が能登半島地震による落石で損傷したことから一般開放の時期が見通せない状況になっています。
関西電力はキャニオンルートには能登半島地震による被害はなかったとしていて、5年前から実施していた安全対策工事や耐熱構造の新型客車の配置などがすべて完了したということです。
一部の区間ではトンネル内の岩盤温度が40度と高温になるため、安全対策では高温の区間を走行でき非常脱出口を設けた新型の耐熱客車10両と、新型の蓄電池機関車2台や新たに配置されました。
また、トンネル内ではモルタルを吹きつけたりボルトを打ち込んだりして岩盤を補強し、落盤を防ぐ対策が行われたほか誘導板や防煙扉を設置するなど避難通路が整備されました。