富山県のトラック運送事業者 2割が運賃交渉できず

物流業界で時間外労働の規制が強化され人手不足の深刻化が懸念されるいわゆる「2024年問題」で、ドライバーの賃金引き上げなど処遇改善が課題となるなか、富山県トラック協会が事業者に昨年度の荷主との運賃交渉の状況を調査したところ、2割近くが、契約が打ち切られる可能性などを考慮して交渉しなかったことがわかりました。

富山県トラック協会は昨年度の荷主との運賃交渉の状況について592の会員事業者を対象にアンケート調査を行い、36%にあたる214から回答を得ました。
その結果、交渉を実施したのは、回答した事業者のうち8割余りに上りました。
これらの企業に交渉状況を複数回答で聞いたところ、「運送料が値上げされた」のが92%、「有料道路の利用料が値上げされた」のが41%、「現状維持」が19%などでした。
一方、荷主の経営状況や、契約が打ち切られる可能性を考慮して、全体の2割近くが交渉をしなかったということです。
事業者からは、「自社での取り組みには限界があるので、国が主体となり法整備や荷主への働きかけをお願いしたい」といった声が聞かれたということです。
富山県トラック協会は「ドライバーの低賃金は人手不足につながるため、荷主企業には運賃値上げや環境改善に理解と協力をお願いしたい」とコメントしています。