ニホンライチョウ 野生のオスと人工授精 国内初のヒナ誕生

国の特別天然記念物「ニホンライチョウ」の繁殖に取り組む富山市ファミリーパークは野生のオスと飼育するメスの人工授精で産まれた卵から国内で初めて28日に2羽のヒナが誕生したと発表しました。

環境省と日本動物園水族館協会の協定などによりライチョウの飼育繁殖技術の確立に取り組んでいる富山市ファミリーパークは、5月に野生のオスから採取した精液を用いて飼育するメス5羽に人工授精を行った結果、6月5日までに12個の卵が生まれました。
富山市ファミリーパークによりますと、この12個の卵のうち2つの卵から28日午前、ヒナが誕生したということです。
ヒナはいずれも体長がおよそ5センチ、体重がおよそ15グラムで、富山市ファミリーパークが公開した動画では周りの様子を確かめるように小さな頭を動かす姿が確認できます。
野生のオスを使用した人工授精によってニホンライチョウのヒナが誕生するのは国内で初めてだということです。
担当者によりますと、ヒナは健康な様子だということですが、ふ化後2週間は体調を崩しやすいため、衛生管理などを徹底し注意深く観察していくことにしています。
富山市ファミリーパークの動物課は、「無事生まれたことを嬉しく思っています。大人になるまで飼育を頑張っていきたい」とコメントしています。