入善町 応急工事終え海洋深層水の供給を再開

ことし1月の能登半島地震の影響で取水管が切断した入善町の海洋深層水の施設の応急工事が終わり、深層水を利用している民間の工場などに供給を再開しました。

入善町の沖合で富山湾の水深380メートル付近からくみ上げられる海水は年間を通して水温が2度前後と低温で、町ではこの海水をくみ上げ「養殖かき」の洗浄や工場の冷暖房用などに企業へ供給してきました。
しかし、ことし1月の能登半島地震の影響で、海水を陸上に吸い上げる取水管が途中で切断したため十分な供給ができなくなっていました。
取水管は、23年前に設置したものと、この春から利用の開始を予定していた2本ありましたが、町によりますと、いずれも切断したため、復旧のための応急工事を4月下旬に行いました。
町ではこのうち新設した取水管の水深220メートル付近に取水口を確保して深層水をくみ上げることができるようにしたということです。
応急工事の後の水温は5度と以前よりやや高いものの、ほぼこれまで通りの深層水がくみ上げられるようになったということです。
入善町では本格復旧のため、取水管を2本とも新たに敷設する計画で3年後から始めることにしているサーモンの陸上養殖の開始に間に合わせたいとしています。
入善町は「深層水の安定供給には取水管の新設が必要で、早急に工事を進めていきたい」と話しています。