富山湾の漁業資源 海底地滑りの影響調査始まる

能登半島地震で発生した海底地滑りによる漁業資源への影響を調べる県の調査が13日から富山湾で始まりました。

この調査は、能登半島地震による海底の環境変化を調べて、ベニズワイガニやシロエビ、それにバイガイなど富山湾の重要な漁業資源への影響を詳しく分析しようと県の水産研究所が実施します。
13日から県の大型の漁業調査船「立山丸」による調査が始まり、滑川市の滑川漁港では、出航前に研究所の職員が調査用の機材を運び込む様子がみられました。
「立山丸」による調査は沖合の深海部で5月16日まで続けられ、そのあと20日からは小型の調査船を使って沿岸部での調査も実施されます。
一連の調査では、水深15メートルから700メートルまでの70か所で海底の泥を採取し、それぞれの場所で水深が変化していないかやエサとなる有機物の量などを調べることになっています。
調査結果については、水産研究所が過去に実施した調査データと比較しておよそ2か月後をめどに概要を整理し、今年度末には最終的な報告書をとりまとめる予定です。
地震のあと富山湾では、ベニズワイガニやシロエビなどが不漁となっていて、県は調査結果をもとに漁業資源の保護など必要な対策に役立てることにしています。
県水産研究所の藤島陽平研究員は「重要な水産資源の環境が地震でどれくらい変わったのかまだ把握しきれていないので、今回の調査で、しっかりとデータを取って科学的な根拠に基づいて漁業者に伝えたい」と話していました。