新型コロナ5類移行から1年 現状は 気をつけるべきことは

新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に移行してから、8日で1年です。
そこで県内の感染状況やいま気をつけるべきことを見ていきます。
まずは、県が8日に発表した感染状況からです。
5月5日までの1週間に、県内47の医療機関から報告された新型コロナの患者数は、あわせて97人で、1医療機関あたりでは2.06人となりました。
前の週の3.28人から大きく下がっていますが、大型連休で多くの医療機関が休診となったことから、受診できていない人もいるとみられ、県は実際の患者数はより多い可能性もあるとしています。
こうしたなか、県内の現在の感染状況について、専門家はどのようにみているのか聞きました。
県衛生研究所の大石和徳所長です。
5類移行後には、去年9月とことし1月に感染拡大のピークが2回あったものの、おととしの第8波と比較して感染者数は少なかったということです。
「第8波のピークに比べると、半分から3分の1ぐらい。全体として、感染者数、そして入院患者数も減っている。繰り返しワクチンを接種したり、あるいは国民の4割の人がすでに感染をしたり、拡散スピードをかなり抑えれるように結果的になってるんだろう」。
そのうえで、これまでは新しい変異株の流行が感染拡大の一因になってきましたが、現在、県内で主流なのは、オミクロン株の1種で過度に心配する必要はないと指摘します。
「必ずしも流行の波を作っているわけでもなく、重症化リスクが高いというしっかりした報告もなくて、状況についてはまだよくわからない。突然これが、あの重症化リスクにかかわることは考えにくい」。
【感染対策】。
その一方で、重症化リスクが高い高齢者などに感染を広げないため引き続き用心して感染対策をとる必要があります。
「重症化、死亡につながるリスクがあるということで、かぜとは違う。高齢者施設や医療機関で感染を広げる可能性もあると思うので、そういうところではしっかりマスクをして対策を取っていただきたい」。
とくに今年度から、検査や治療を受ける際の特例的な支援策が終了したため、自己負担分が増えることになるものの、必要な検査や治療は受けてほしいと指摘しています。
さらにワクチン接種についても今年度からは、▼65歳以上の高齢者と▼60歳以上で重症化リスクの高い人を対象に、一部自己負担で、秋から冬に年1回の定期接種が行われます。
「65歳以上の接種者は、副反応の頻度って非常に低いんですね。重症化リスクを予防できて、副反応は少ないということでメリットは大きいと思う、ぜひ接種を検討してほしい。費用負担はあるかもしれませんが、ちゃんとした感染対策がとれるよう、検査そして必要な治療を受けていただく必要がある」。
5類移行から1年がたって、社会のさまざまな面でコロナ禍前の状態に戻っていますが、引き続き、必要な対策はしていきましょう。