富山県の人口100万人を割り込む

富山県の人口がついに100万人を割り込みました。

きょう発表された4月1日時点の県内の推計人口は、前の月よりも2600人余り少ない99万9476人となりました。
その結果、富山県では70年余りにわたって維持してきた人口100万人台を割り込みました。
こうした状況を富山の人たちは、どのように感じているのでしょうか?。
(街声)。
青年「そんなに減ったんだ。やっぱり少子高齢化ですかね」。
中高年の男性「自分が若いころなんか、富山駅周辺は今よりも人がいたので。しかたがないのかなという感じはありますけどね」。
女性「同じぐらいの子ども連れて出かけている人も少ないのかなとは思う」。
高校生「人口が減って街が残っていくのかが心配」。

県が、1日に発表した4月1日時点の県内の推計人口は、年度末による県外への転出などが反映され、前の月から2614人減少し、99万9476人となり、100万人を割り込みました。
(県の人口推移)。
県の人口は、第1次ベビーブーム期の昭和24年に100万人を超え、平成10年には112万人まで増えました。
しかし、その後は人口減少が続いていて、1日に公表された最新の推計人口で70年余りにわたって維持してきた100万人を下回りました。
(人口の見通し)。
こちらは、平成27年に県が策定した「人口ビジョン」です。
それによりますと、▼2050年に85万9000人、▼2060年に80万6000人を目指すとしていました。
こちらの青色の線は、「国立社会保障・人口問題研究所」が去年12月に公表した将来推計です。
それによりますと、▼26年後の2050年には76万1719人にまで減る見通しが示され、2050年の段階でみると県の想定との間に9万7000人の隔たりが生じています。
(県庁)。
想定を上回るペースで人口減少が進んでいることについて県は、全国的な少子化に加えて、富山県では若い女性の県外への転出が多いことなどが要因と分析しています。
また、生産活動を中心となって支える15歳から64歳の「生産年齢人口」の減少も課題となっています。
「生産年齢人口」は、平成元年のピーク時に75万6705人でしたが、去年は55万1555人にまで減り、担い手の不足や地域コミュニティの衰退などが懸念されています。
(街の人は)。
「生産年齢人口」のなかで、富山県が特に力を入れて取り組もうとしているのが“若い女性”への対応です。
そうした女性たちに富山の課題を聞きました。
子どもを抱えた女性「遊ぶところとかもうちょっと子どもの施設があればいい」。
県外で就職した女性「私の場合は、就職先が富山にいきたいところがなかった。就職できる幅が広がってテレワークなどできたら、また富山に戻ってきたいと思う。
(人口未来構想本部)。
県は若者の県内企業への就職の促進、若い世代の結婚や子育て環境の改善に重点的に取り組み人口減少のペースを緩やかにしたい考えで、4月、新田知事を本部長とする「人口未来構想本部」を立ち上げ、ことし11月には新たな「人口ビジョン」の骨子案を公表することにしています。
人口100万人割れを受けて新田知事は「若年女性が働きたくなるような仕事が少なかったのかもしれません。あるいは、そういった仕事があるということの周知が足りなかったのかもしれません。特に昨年からはですね、中学生、高校生の若いうちから、富山県にはこんな企業があります、こんなに女性活躍、女性人材が活躍している輝いている企業があります。そういったことを中高生の段階からしっかりと理解をしてもらう。そんな取り組みをやり始めました。ことしは、さらにそれを回数を増やしていく、加速をしていきたいと考えています」。