富山市の医薬品メーカー「キョクトウ」に業務停止命令

富山市の医薬品メーカー、「キョクトウ」が、承認規格を満たしていない医薬品について、虚偽の試験記録を作成し規格に適合しているかのように装って出荷していたなどとして、県は26日、業務停止命令を出しました。

業務停止命令の行政処分を受けたのは、富山市牛島新町に本社がある医薬品メーカー、「キョクトウ」です。
県によりますと、このメーカーは自社で製造している胃腸薬の「正露丸」について、試験の結果、必要な成分が足りていなかったにも関わらず、虚偽の試験記録を作成し出荷していたほか、そのほかの3品目についても必要な試験の一部を実施せず、虚偽の記録を作成していたということです。
このメーカーでは、おととし7月と8月に県が調査を行った際、試験内容に不備が見つかり、定期的に内部調査の結果を報告するよう求めていましたが、去年10月に記録を改ざんしていたことがわかったということです。
この事態を受けて、県は26日、メーカーに対し、製造業務については4月30日から23日間の、また、出荷業務については4月30日から22日間の業務停止命令を出しました。
また、26日から1か月以内に再発防止策を含めた改善計画を提出するよう求めています。
県によりますと、いずれの製品も健康被害のおそれはなく、これまでに被害の報告もないということです。
医薬品をめぐっては不正製造の問題が全国各地で相次いでいて、県内では今回を含めてこの3年あまりで5社が業務停止命令の行政処分を受けています。

業務停止命令の処分を受けたことについて、「キョクトウ」は「重く受け止めるとともに消費者や取引先をはじめすべての関係者に心よりおわび申し上げます。今後、原因究明を徹底的に行い、再発防止策を検討してまいります」とコメントしています。